久しぶりに純粋な恋愛マンガを読んだ。
最近は、マンガ世界も複雑化しすぎていて、
普通の恋愛マンガでは連載として成り立たないわけだが、
この作品は、少女の同性愛をテーマにした分、
純粋な恋愛マンガとして成立していた。
最近だと、「青い花」あたりが同じテーマの有名作品だが、
あそこまで同性愛という事を深く描いた作品ではない。
ただ、主人公が気になった相手が
同級生の少女だったという
それだけの設定であり、
それ故に、変に哲学がなく入り込みやすかった。
また、カメラという人の心を映す小道具も、
この作品のテーマに相応しく、随所で活躍する。
ここでも、変に最近の薀蓄マンガのように
カメラの趣向に関しての話が進むわけでもなく、
そこが、また良い。
カメラは所詮本作の小道具であり、
テーマは恋愛なのだから。
何が素晴らしいというわけではないが、
自分の内面に悶々とする、
若者の日常を素直に切り取れている点が素晴らしいのだろう。
幅広くオススメできる作品である。