今でこそ「妖怪」は水木御大の活躍により、
マンガと相性の良い素材になったが、
昔はそれほど「妖怪」のマンガは多くなかった。
実際問題、日本の伝承から
妖怪に姿かたちを与えてしまったのが
水木しげるなわけだから、
それらのキャラクターが別の作者のマンガに登場する事に、
オリジナリティの面で違和感があったのである。
そんな背景をよそに、
80年代の半ばに
妖怪と人間の心の交流を描こうとしたのが、
本作妖怪学園である。
連載雑誌のマイナーさと相まって、
私も「妖怪」というキーワードがなければ、
読んでいなかった作品だろう。
作風はまさに当時の絵柄そのものであり、
主に妖怪と人間の絆や悲恋等をテーマにした
同人誌的な雰囲気の作品だったが、
「妖怪」というマイナーなキーワードと相まって、
楽しく読んだ記憶がある。
作者「かえんぐるま」は、現在は「渡瀬のぞみ」にP.Nを変えてしまったが、
以前のP.Nのほうが妖怪っぽくて、味があった気がする。
「妖怪」ジャンルがまだまだマイナーだった頃の
懐かしい作品なので、評価は少しだけおまけしておく。