島本和彦といえば、やはり
名実共に「逆境ナイン 」だろう。
しかし、あまり知られていないが、
本作「仮面ボクサー」もかなり面白い。
世界征服を企む謎の組織の陰謀により、
カマキリボクサー、コブラボクサーといった
ふざけた覆面ボクサー達が、
日本のボクシング界に襲い掛かる。
それを迎え撃つのが主人公
仮面ボクサーだ。
連載誌打ち切りにより、
最終章百数十ページが書き下ろしという
恐ろしい作品。
だが、この最終章は大傑作である。
島本作品は、
その笑いの爆発力ゆえに、
それほど読み返しが効かないのが難点ではある。
けれども、
一度読めば忘れられない。
伝説の名シーンを刻み込んでくれるのも確かだ。
最終章の「30年パンチ」を
未読の方には是非読んで頂きたい。
バカバカしいというのは、やはり
素晴らしい才能である。