つれづれマンガ日記 改

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ゆうれい談

大御所「山岸涼子」の描く、
実話を元にした幽霊話である。

山岸プロの元に集まるマンガ家達が持ち寄った、
様々なゆうれい談を実話化した作品で、
本格的な恐怖系の作品ではないが、
実話と考えると、妙に背筋が寒くなる作品。

しかし、それにしても登場する人物達が凄い。

初出が70年代の作品という事もあって、
みな駆け出しの時代だったのだろうが、
24年組の面々が、マンガのキャラクターとして
ゆうれい談を楽しそうに語るのは、
今となっては何とも豪華なキャスティングである。

その後、本作の反響を受けて、読者からも様々な
ゆうれい談が届いた結果、
「読者からのゆうれい談」という形になった
作品も収録されている。

山岸涼子全集の中には、
近年の作品「ケサラン・パサラン」の原型ともいえる。
「あやかしの館」も収録されており、中々に面白い。

少女マンガ史が好きな方は
目を通しておきたい作品である。

しかし、幽霊を平仮名表記する事で、
何とも言えない怪しさを醸し出すこのセンスは、
やはり天才のなせる業なのだろう。

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ゆうれい談 (あすかコミックス・スペシャル―山岸凉子全集)
 

 

 

ゆうれい談 (MF文庫)

ゆうれい談 (MF文庫)