「清水玲子」の描く世界の美しさを
楽しむ為だけにある、といって過言でない作品。
序盤のヒキは相当なもので、
かぐや姫伝説と、その生贄に、
沖縄の孤島で育てられた子供たちという
ミステリーサバイバル形式の展開に
吸い込まれたが最後、
読めば読むほど、不可思議な展開を迎え、
最後は、何とも言えない読後感のラストを残す。
頭の中で、伏線やらストーリーやら
構成やらみたいなものを練るだけ無駄なので、
途中から素直に、耽美な世界観と
絵を楽しむ作品として読むのが吉。
ただ、その為だけに全27冊は、
なかなかに根気のいるところではあるのだが。
後年の作者の世界観の様々な原型が、
顕れているともいえる作品なので、
「清水玲子」ファンの方だけにオススメしたい。