原作「ハジメ」=「施川ユウキ」という事で、
購入した本作だが、まぁ並のサスペンス。
男子高校生を誘惑する不思議な犬という
謎設定で始まる本作だが、特段オチはない。
どちらかというと、瞬間的なトラウマを
読者に残す類の作品で、
あとがきに書かれている通り
「もやもや」させる事が目的のもやもや作品である。
とはいえ、導入部のエロスと思春期特有の自己嫌悪描写の
レベルの高さは、流石に「施川」作品である。
作画の「オオイシヒロト」との問題というよりは、
独特の施川作品を、普通のサスペンス作品に
仕上げて描こうとした事自体が難しかったのかもしれない。