「原秀則」全盛期である。
漫画家をマンガにした作品は、
今でこそ出揃ってきた感じがあるが、
90年代頃までにそのテーマを描いた作者は少ない。
「まんが道」という王者がいた為に、
長年、新規参入が少なかったジャンルである。
そして90年代という、
マンガにまだ夢と冒険が求められていた時代に、
いち早くリアル志向な作品を青年誌に持ち込んだ作者が、
このジャンルに目を付けたのは当然だったのかもしれない。
何も得意な事がない高校生の主人公
「多田野一郎」
絵を描くことだけは好きで、
こっそりマンガを書いているものの、
単なる自分の妄想でしかなく、
世間の評価は冷たく。
初めてのアシスタントで自分の実力を思い知らされ、
徐々に成長し。
平凡な作品かもしれないが、弱点はなく、
全6冊、素直にドラマとして完成されている作品である。
漫画家マンガに興味があれば是非。
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