「潮見知佳」の描く、
オカルト恋愛シリーズ三部作も、これでラスト。
まさか、ここまでスピンオフするとは、である。
シリーズ開始から十年近い時を経て、
画力や表現力は格段に向上しているのだが、
如何せん、キャラや物語が前作「らせつの花」より
面白かったかと問われると難しい。
あまりに超人的な能力の持ち主を
主人公に設定してしまったがゆえに、
物語のスケールが少し壊れてしまっており、
読者がついていけないのが難点である。
恋愛ロマンス的な意味では、
シリーズ最大ではあるのだが、
その魅力が十二分に伝わっていない点が、
難しいところである。
シリーズのファンの方なら、読んで損はないだろう。