3D彼女ついに完結である。
「那波マオ」作品にして、まさかの10巻越えを果たして、
全12巻完結となったわけだが、
読後感としては、若干物足りなかった。
というか、恐らく作者に期待し過ぎていたところが
多分にある。
ラストの展開に不満はないのだが、
この作者ならもう一段面白い内容が
描けたのではないかと思うのは、
買いかぶり過ぎだろうか。
以下、大幅にネタバレ。
ラストで時間軸を飛ばしたところは王道で良いのだが、
キャラクターの年齢を動かした部分で、
恐らく作者の表現力・画力の限界を超えてしまった。
結果として、意図的なのかもしれないが、
主人公2人が別人になってしまい、
その分、感情移入しづらくなってしまったのは、
いかんともし難い部分である。
勿論、リア充化した主人公と、
記憶喪失のヒロインなので、
もはや別人の二人というのは表現上間違っていないのだが、
マンガ作劇的にこれをやられると、読者の感情がついていかない。
また、最終話付近の展開も、
あまりに多くのものを詰め込み過ぎていて、
再会と離別と再会が目まぐるしすぎる。
この辺りが総じて、
物足りなさにつながった最終巻であった。
作品としては総合的には面白い部類に入るのだが、
この作者を大いに推していた身としては、
あと一歩の魅力が欲しかったわけである。
那波マオの次回作は、
ラブコメ以外になることを期待したい。