つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

自炊についての考察まとめ

最近、ブログを書かないで何をしていたかといえば、
ずっとマンガの自炊をしていた。

2018年にもなろうというのに、
色々なマンガが電子書籍化されていて、
そもそも週刊連載そのものを電子で読んでいる時代に、



なぜ、今更自炊をしているのか。


 



自分でも若干、時代に逆行しているなぁ、と感じながらも、
やりはじめると色々ハマってしまったので、
電子書籍環境がこれだけ整っている現代において、
あえてマンガを自炊する理由をつらつら書いてみる事にする。 



ちなみに今回色々ネットで情報を調べている限りだと、
自炊自体はどうやら下火のようである。
まぁ、そもそも電子書籍で売られているのだから、当然といえば当然なのだが、
それにも懲りずに自炊を開始した背景を以下にまとめてみる。
 

今更ながら電子書籍のメリット 


元々、紙媒体が大好きだった古い人間だったので、
電子書籍化にはあまり乗り気ではなかったわけだが、
やってみたら予想以上にメリットが大きかったので、
大いにハマったわけである。その辺りを3つほど書いておく。
 

  1. 想像をはるかに超えて部屋のスペースが片付く

    元々大量すぎるほどのマンガを所有していたわけだが、
    大型の本棚や倉庫など色々なところに散乱していた。
    それらがどんどん消えていくのは痛快以外の何物でもない。

  2. 電子化する事で読みたいマンガをすぐ読めるようになる

    これは、電子化するまで気がつかなかった事なのだが、
    本棚に無造作に積まれたマンガや、倉庫に奥の方に入ってしまった
    可哀想なマンガは読まれていなかったのである。
    保有しているからいつでも読める気でいたが、
    気軽にアクセスできない=読めなかった。
    電子化するまではこの当たり前の事実に気がつけていなかった。

  3. 紙媒体と違って劣化しない

    古本を読む人ならわかると思うが、ある程度気をつかっていても
    紙媒体は劣化する。気がつかないうちにシミができるし、
    大型本だとページが抜け落ちるようになったりする。
    この辺りの劣化を気にせず読めるようになるのは、本当にありがたい。

 

この辺りが、いわゆる一般的な電子書籍のメリットなのだろう。
ただ、これだけだとそもそも「自炊」にこだわる必要がない。

あえて自炊を頑張るメリット 

もう、殆ど何でも電子書籍化されているんだから、
素直にKindleとかの既存の電子書籍サービスを使っておけよ、
というのが通常の感覚なわけだが、色々考えた結果、
裁断やスキャンの手間をとっても自炊を選ぶことにした。
もう、このまま紙媒体が発売される限りは、あえての自炊を貫く予定。
その選択をした理由を3つ書いていく。

  1. 本当の意味でコンテンツを所有できる

    現在の利用者がどこまで認識しているかわからないが、
    一般の電子書籍というのは「閲覧できる権利」を購入しているサービスである。
    色々な電子書籍で購入した作品は、そのサービスサイト内でしか閲覧できないし、万が一とはいえ、サービス終了の際には、コンテンツのダウンロード等はできなくなる。
    勿論、それまでダウンロードしている作品等は手元の端末で閲覧できるのだが、
    それでも、その端末が寿命を迎えた場合、終了である。

    普通の読者なら「終了」であきらめがつくかもしれないが、
    マンガに命をかけている私の場合、「終了」=「人生終了」になってしまうので、そんな不安なサービスに賭ける事はできない。

    これに対して、マンガを自炊してPDF化し私的に所有・閲覧する事は
    どんな媒体でもできるし、別にKindleやDMMや楽天Koboが滅んでも、
    何ら問題が起きない。
    これがわざわざ自分で手間をとって自炊をする最大のメリットだと
    個人的には考えている。

  2. 中古本を安く買える

    既存の電子書籍でも色々無料サービスがあったりするが、
    それでも商売なので全巻無料等はわりと少ないし、
    そもそも短時間だけの閲覧無料等が当たり前である。
    その為、気に入った作品を購入しようとすると、
    それなりにお金はかかる。

    反面、自炊の場合は古本屋から安くなったセットを購入してきて、
    自炊するという技が効くので、総合的には安く揃えられるわけだ。

    勿論、新作も購入して電子化したりするわけだが、
    そもそも雑誌の段階で読んでいることが多いので、
    この中古全巻揃い購入から自炊の流れが一番便利なパターンである。

    ちなみに中古で購入すると作者にお金が入らないので、
    当然お気に入り作品は新刊で買うし、雑誌も買う。

    ここは大事な事なので太字にしておく。


  3. それでもやっぱり古い作品は電子化されない

    世の中の電子書籍化がどれだけ進んでも、
    やはり日の当たるのはメジャー作品からである。
    ただ、マンガ読みとして大切なのは、
    記録に残るメジャー作品ではなく、
    記憶に残るマイナー作品であり、
    そういった作品は、やっぱりなかなか電子化されないのである。

    電子化されないなら自分で電子化すればいいじゃない。

    というわけで、結局自炊に辿り着くことになる。
    そうでもしなければ、「内閣総理大臣織田信長」の立場がない。

 

以上、あえて自炊を頑張るメリットを列挙してみたが、
改めて読み返すとマニアの思想以外の何物でもなく、
通常ユーザーは一般の電子書籍サービスで何ら問題ない事がよくわかる。

というわけで、どうにもならないマニアの人だけ、
続きの自炊実践編をどうぞ。
それ以外の方は通常のマンガ感想コンテンツをお楽しみください。


 

自炊体験編 

ここからは、そんなどうにもならないマニアの人の為の自炊実践編となる。

まず、そもそも書籍の自炊を体験したことがない人が殆どだと思うが、
必要な機材としては、「裁断機」と「スキャナー」である。

ただ、この「自炊」という行為自体は、恐らく人によって
面倒に感じる度合いが相当に違うので、
いきなり機材を購入せずにレンタルする事をオススメしたい。

私が利用したサービスは以下のサイトである。

www.scaren.com


自炊という行為は時間も手間もそれなりにかかるので、
初心者の方は絶対に、一度はレンタルで体験するべきだろう。

ちなみに、今回私が利用したのは以下の30日間レンタルだったが、
自炊という行為自体の体験は数日で十分体感できるので、
一週間レンタルで全く問題ないだろう。

f:id:mangadake:20180608065947p:plain

 

自炊道具編 


さて、道具は最初に書いた通り、「スキャナー」と「裁断機」の
2つが必要になるので、この点について書いていく。

  1. スキャナーに関して

    本格的に大量のマンガをスキャンする場合には、やはりそれなりの
    スキャナーが必要になってくるわけだが、自炊サイトを閲覧すると、
    馬鹿の一つ覚えのように「ScanSnap iX500」が推薦されている。 
    富士通 ScanSnap iX500 (A4/両面)

    富士通 ScanSnap iX500 (A4/両面)

     

     

    実際、私がレンタルした機種もこれだったのだが、
    確かに使い勝手が想像以上に良い。
    最近のAmazonレビューを見ると、PDFがAdobeでなくなった事に
    批判が続出しているが、あまり気にならないレベルである。
    そんなわけで、何も考えずに私はこれを購入してしまったのだが、
    その後、もう一つの選択肢があった事に気がつかされる。


    キャノンDR-C240というのがその選択肢である。 
    Canon キヤノン ドキュメントスキャナ imageFORMULA DR-C240

    Canon キヤノン ドキュメントスキャナ imageFORMULA DR-C240

     

     


    詳しくは以下のサイトに目を通してほしいが、
    記事を読む限り相当に魅力的で、
    もしかしたら、こちらを購入するのが正解だったかもしれない。

    blog.query1000.com


    ポイントはスキャン速度で、自炊という行為は裁断とスキャン
    どちらに時間がかかるかというと圧倒的にスキャンに時間がかかる。
    その点では、この速度性能差は重要である。

    恐らく本格的な自炊用のスキャナーとしてはこの2つが
    候補なのではないだろうか。


  2. 裁断機に関して

    スキャナは候補が絞られているのに対して、
    裁断機はわりと群雄割拠である。

    この辺り、参考になるのは以下のサイトだった。

    monomania.sblo.jp


    裁断機に関して、色々調べる限りポイントとしては、
    「切れやすさ」と「機材の大きさ」「一度に切れるページ数」
    といった点だろうか。

    特に、一度に切れるページ数は案外魅力的な要素で、
    厚い本を一度分解してから裁断機にかけるといった必要がなくなるので、
    手間が省けるという点が重要である。

    ちなみにレンタルした裁断機は以下。 
    大型裁断機・ペーパーカッター 400枚裁断 BA58A4

    大型裁断機・ペーパーカッター 400枚裁断 BA58A4

     

     
    この裁断機はネットでは中華製と呼ばれていて、あまり評判がよろしくないのだが、個人的にはそこまで使い勝手が悪いものではなかった。

    特に17Kgと圧倒的に重いので裁断の際に、裁断機が動かないのは作業しやすいメリットだった。反面、とにかく大きくて邪魔。

    我が家では床に置けるスペースがあったから良かったが、
    確実にスペースを侵害する邪魔者である。
    また、裁断機はスキャナ以上に保守が必要になる製品なので、
    購入して所有すべきかは、よく考えた方が良いだろう。

    ちなみにこの大型裁断機を推薦するサイトとしては、以下が参考になる。

    stampcard1.blogspot.com


    実際問題、私自身もレンタルで体験した使い勝手を考えると、
    この裁断機も悪くないと感じていた。

    ただ、結局は各所サイトで有名な以下製品を購入。
    DURODEX 自炊裁断機 ブラック 200DX

    DURODEX 自炊裁断機 ブラック 200DX

     


    結局、所有するにあたってどうしても 考えたのが
    「メンテナンス」の問題だった。

    刃の切れ味等で保守が必要になる製品である以上、
    メーカーや問い合わせ先がある程度確保されている必要があり、
    その点で国内製品の信頼性を採用したわけである。

    また、こちらの大型裁断機の場合、
    1.本を抑えるためにハンドルを回す
    2.本を裁断する
    という2つのアクションを必要とするのに対して、
    DURODEX製品の場合、「本を抑える」のと「本を裁断する」の
    がハンドルを下げるのと同時に行われている点もポイントだった。

    しかしまぁ、この辺りは購入前に情報としてわかっていた事だったのだが、
    やはり真価はその切れ味だろう。

    届いてから使ってみて正直、驚愕した。
    凄まじい切れ味である。
    厚いサイズの本もすんなり切れてしまい、切り口も斜めにならない。
    恐るべし日本製クオリティである。

    また、裁断機を畳んで小さくできるという点も、
    届いてみると非常に効果的で
    結局のところ高い値段に見合う能力を持った
    裁断機だったと感じた。

  3. その他の道具

    裁断する際の問題として本の切り口が斜めるになるという問題があるが、
    (とはいえDURODEX製品の場合、ほぼ気にならないレベルだが)
    それを解決しているのが以下のテープである。

    これを張り付ける事で、切り口が斜めにならないという
    ブログ報告が多数あるので、こだわる人にはオススメしておきたい。

     

    MEIWA オレフィンジャストップ粘着テープ 10cm幅×2m巻 OJST-N1

    MEIWA オレフィンジャストップ粘着テープ 10cm幅×2m巻 OJST-N1

     

      

     

さいごに


ぶっちゃけ自炊を開始すると、
確実に何冊かは犠牲者が出る。

私は結構貴重な漫画を序盤で破壊してしまって泣きそうになったので、
500冊ぐらい処理するまでは、
いつでも買い戻せる作品から犠牲にするのが吉だろう。

ちなみに自炊に関する情報でとにもかくにもオススメのサイトはこちら。
初心者はこのサイトにまずは目を通して基礎を学んでから、
その他のサイトに手を出してほしい。

 

monomania.sblo.jp

 

それでは、また自炊に戻ることにする。