久しぶりの「古谷実」である。
今のところ作者の最高傑作は、
間違いなく「サルチネス」だと捉えている。
その傑作をどうやって次回作で乗り越えるか、
注目していたわけだが、
久しぶりに全く別の方向の
シュールギャグから攻めてきた。
稲中時代の作者初期のシュールギャグが
好きな方には、何とも懐かしい話である。
バームクーヘンを焼くことしかできない
中年の主人公という、最近の古谷作品らしい「哲学」要素と、
表紙に出てくる、謎の生き物のシュールギャグの融合。
この2つの要素が、
いったいどんな着地を魅せるのか、
古谷実の新境地を期待したい作品である。