つれづれマンガ日記 改

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伊賀野カバ丸

今でこそ少女マンガのギャグも当たり前になってきたが、
昔の少女マンガで「爆笑」した記憶は少ない。

そんな貴重な出会いを与えてくれた
記念すべき作品がこの
「伊賀野カバ丸」だ。

とにかく、当時の少女マンガと比較すると
その違和感がすさまじい。

「恋愛」「ロマンス」が少女マンガの王道の時代に、
まさかこれほどのギャグマンガが描かれるとは。

編集部の上層でも反対意見があったというのは
十二分に頷ける話だ。

本作の主人公カバ丸は忍者の末裔である。
子供の頃から山の中で、忍者修行に明け暮れ、
野生児のように暮らしていた。
しかし、ふとしたきっかけから、
都会のしかも由緒正しい高校に入学する事になり、
そこで大騒動を巻き起こしていくことになるのだが。。。

作者の亜月裕は、もともとギャグを描くつもりは
なかったというのだから、才能はどこに潜んでいるかわからないものだ。

しかし、作者の後日談にあったが、
「当時の少女マンガは、男性をキレイに描きすぎていて、
そこに違和感があった」
というのは慧眼だった。

そして、その観点こそが本作のギャグの根底を支えていた。

また個人的なお気に入りは、
やはり教頭先生の存在だろう。

本当はバカなはずのカバ丸を、
「優秀な生徒」と扱う周囲の人間のせいで、
いつも自責の念にかられる教頭。

彼が出てくる場面にはいつも
爆笑させてもらった。

今となっては古典の時代に入る作品だが、
今読み返しても全く色あせず爆笑させられたのには驚いた。

怪作「伊賀野カバ丸」

第一部完結の部分まででもよいので、
是非目を通して頂きたいものだ。

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