つれづれマンガ日記 改

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宇宙英雄物語

SF落日の80年代後半に颯爽と現れた、
スペースオペラの傑作。

それが、本作「宇宙英雄物語」だ。

異世界の宇宙を救った英雄ロジャーの孫、
という設定の主人公「護堂十字」は、
最初は一介の高校生。

しかし、宇宙英雄に憧れる彼は、
ロジャーの遺産を引き継ぎ、異世界の宇宙を救う旅に出る。

魔法、SF、メカ、冒険、ラブコメ、シリアス、etc

とにかく様々な要素が『詰まっている』としか説明しようがない。

その有り余る情熱は、若干読みづらいほどの熱量を紙面に込めて、
キャラクターたちは世界を所狭しと駆け回る。

その後の90年代アニメ界において
重要な作品を排出していく事になる
伊東岳彦の若き頃の情念が込められている作品だ。


本作の見所は様々あるだろうが、
個人的にはやはり最終巻付近の展開を高く評価したい。
特にクライマックスの盛り上がりと
伏線の壮大さは、なかなか類を見ない作品だった。


それら本作の全てはタイトル
宇宙英雄物語」に込められている。
英題は、「THE FUTURE-RETRO HERO STORY」

そのタイトルを裏切らない
懐かしくも新しい冒険譚である。
未読の方は手に取ってみると良い。
今も色あせない新しい何かが本作には秘められている。

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