本作は、明らかに当時の赤松健の最高傑作だった。
当初連載が始まったときは、著しく嫌悪したこの作品。
クラスメイト全員がヒロインなどと、
商業主義もいい加減にしてほしいものだ、と感じた。
しかし、読み進めてみると、意外に、
いや想定外に面白かったのである。
魔法世界の設定の充実。
当初から想定されていた伏線の数々。
美しい魔法戦の描写。
様々な異世界の道具やキャラクター。
そして何より、少年マンガ界に失われて久しい、
英雄の父に憧れる少年のファンタジー冒険譚。
「赤松健」は今回狙っている。
商業誌で自分の書きたい物語を書くために、
得意の美少女キャラを前面に出しながら、
壮大なファンタジー作品を書いているのだ、と。
そう感じたものだ。
無論、既存のファンのためにも、お色気路線は混じっていたが、
それは本作の趣旨ではないように感じられた。
少なくとも、物語の後半になるほど息を潜めたお色気展開を見て、
赤松健は見事にやってのけたな、と感心したものだ。
しかし、
しかしながら本作のラストは見事に悪い意味で
読者の期待を裏切る結果となった。
あれほどまでにして育ててきた壮大なファンタジーを、
どうしてあのラストで終わらせてしまったのか。
ただただ悔やまれてならない。
そんな訳で、現在「UQ HOLDER!」で、
ネギま世界の続編を描いているのは、
ある意味当然の結果なのかもしれない。
途中、面白い場面も多々ある作品だが、
38冊読んであのラストを考えると、
オススメし辛い事は確かである。
魔法先生ネギま! コミック 全38巻完結セット (週刊少年マガジンKC)
- 作者: 赤松健
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/05/24
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (3件) を見る