つれづれマンガ日記 改

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魔法先生ネギま!

本作は、明らかに当時の赤松健の最高傑作だった。

当初連載が始まったときは、著しく嫌悪したこの作品。
クラスメイト全員がヒロインなどと、
商業主義もいい加減にしてほしいものだ、と感じた。


しかし、読み進めてみると、意外に、
いや想定外に面白かったのである。


魔法世界の設定の充実。
当初から想定されていた伏線の数々。
美しい魔法戦の描写。
様々な異世界の道具やキャラクター。

そして何より、少年マンガ界に失われて久しい、
英雄の父に憧れる少年のファンタジー冒険譚。

赤松健」は今回狙っている。

商業誌で自分の書きたい物語を書くために、
得意の美少女キャラを前面に出しながら、
壮大なファンタジー作品を書いているのだ、と。

そう感じたものだ。


無論、既存のファンのためにも、お色気路線は混じっていたが、
それは本作の趣旨ではないように感じられた。
少なくとも、物語の後半になるほど息を潜めたお色気展開を見て、
赤松健は見事にやってのけたな、と感心したものだ。


しかし、
しかしながら本作のラストは見事に悪い意味で
読者の期待を裏切る結果となった。

 

あれほどまでにして育ててきた壮大なファンタジーを、
どうしてあのラストで終わらせてしまったのか。
ただただ悔やまれてならない。

 

そんな訳で、現在「UQ HOLDER!」で、
ネギま世界の続編を描いているのは、
ある意味当然の結果なのかもしれない。


途中、面白い場面も多々ある作品だが、
38冊読んであのラストを考えると、
オススメし辛い事は確かである。

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