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つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

天使なんかじゃない

前回に続き、90年代『りぼん』作品からもう一つ。

この作品に関して言えることといえば、
やはり作者「矢沢あい」の時代を読む感性の鋭さである。

本作「天使なんかじゃない」は、
青春学園ブコメの決定版的作品だ。
少女漫画の中で比較した場合、
本作以上に学園ラブコメの名を
冠するにふさわしい作品はちょっと見当たらない。


創立されたばかりの私立に入学し、
生徒会副会長に就任する事になった主人公冴島翠。
生徒会長には、以前から気になっていた男性須藤晃が就任。

そんな夢見がちな展開から読者の心を現実に叩き落す
昨今の厳しいマンガと異なり、
本作はご都合主義が裸足で逃げ出すほど、
予定調和的に展開していく。

生徒会の気の置けない仲間との日々。
時に学校行事に励み、時に恋愛に一生懸命に生きる日々。

まさに王道青春物語だ。
主人公は彼氏からもらう優しさと幸せを
十分に享受して、幸せな日々を過ごす。

こんな学園生活を送ってみたかった、
という雰囲気が十二分に伝わってくる作品だ。


マンガの中には夢と憧れを詰め込むというスタンス。
この、90年代のマンガに求められていた要素を、
作者は完全に見切っている。


けれども、次作、ご近所物語を見れば、
その方向性が変わっている事がわかる。
女性主人公のスタンスがそもそも違う。

この辺りはまた別途「ご近所物語」で記載するとして、
そういった時代に合わせた作風の変化を
いとも簡単にやってのけてしまう辺りが、
ヒットメーカーを連発するマンガ家たちの共通項なのだろう。

幸せな気持ちになりたい時に読む夢物語として、
本作は非常にお勧めだ。

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天使なんかじゃない 完全版全4巻 完結セット (愛蔵版コミックス)

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