モーニング主催の漫画賞「MANGA OPEN」
マンガ以外にも文章による原作等幅広く受け付ける賞だが、
やはりマンガ作品以外の受賞は難しかった。
その中で初の「原作」による大賞受賞作が本作だ。
審査員であるかわぐちかいじが惚れ込み作品化に至り、
鳴り物入りで開始された感がある作品だった。
しかし、結果としては、前評判に十分に応えたのではないだろうか。
「ビートルズ」のコピーバンドをしていた主人公達は、ふとしたきっかけで
現代から過去へタイムスリップしてしまう。
それはまだ「ビートルズ」が世の中に産まれていない時代だった。
ビートルズの曲を自分達のオリジナルと偽り、
音楽活動を始める事になる主人公達だが、その影響の大きさは計り知れなく、
英国の本物のビートルズの耳にも届くことになるのだが。。。
過去、多くのマンガ家が題材に取り上げたことのあるタイムスリップ物だが、
昨今は衰退著しいジャンルでもある。
読者側が見慣れてしまったという理由もあるだろうが、
それ以上にラストの落としどころが難しいというのも理由だろう。
結局のところ、タイムスリップ物の結末は2つしかないのだ。
現代に戻るか、過去の時代で生きるのか。
本作のラストは若干ではあるが、
それを超えた第三の結末を見せてもらえた気がした。
さすがに大賞受賞作だけの事はあった。