レビュー作品もついに500作品。
せっかくなので少しレジェンド的作品をという事で、
「浦野千賀子」が一時代を築いた
アタックNo.1を選んでみる事にした。
本ブログでは70年代作品にカテゴリーしているが、
連載開始は68年で70年には連載終了という事で、
60年代といえば
「鉄腕アトム」「バカボン」「鬼太郎」等の
レベルと同時代の作品となり、
半世紀昔となる。
一大ヒットとなった本作は、
バレーボールブームという社会現象を巻き起こし
少女マンガで単行本12巻を刊行するという、
初の快挙を達成した作品だった。
そんな本作を今更ながら読むわけだが、
まず、現在のマンガと圧倒的に違う点は、
そのリアリティの低さである。
マンガが子供を対象にした
媒体だった事が良く分かる時代で、
ストーリー自体はスポ根だが、
主人公にふりかかる数々の困難が、
あまりに凄い。
特に、スポーツ系のマンガというのは、
残念ながら過去と現在で
比較しやすいジャンルの作品なので、
現在のスポーツマンガに親しんでいる
マンガ読者にとっては、
色々な側面で物足りなさがあるだろう。
しかし、前人未踏というのは
常に素晴らしいものであり、
大林素子選手がこの作品がきっかけで
バレーに出会ったように、
マンガが社会に影響を与えはじめた
黎明期の作品と考えると、その業績は偉大である。
今となっては色々と評価が難しい作品だが、
マンガ史的には抑えておくべき作品だろう。