つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

こちら葛飾区亀有公園前派出所

マンガに関するブログを書いている人は、
今日はみな「こち亀」について書くのではないだろうか。

連載40周年200巻にて、
ついについに完結してしまった。

私がこれから死ぬまでの間に、
この記録を超える作品は恐らく出ない。

それくらい歴史的な偉業に
立ち会ってしまった事に感無量である。

週刊少年ジャンプという、
日本の頂点に君臨するマンガ雑誌において、
40年間休載しないという事が、
どれだけ凄い事かは、もはや言葉にできない。

マンガを生業にしている人なら誰しも、
足を向けて寝られないわけである。

作品単体としての評価を考えてみたが、
完全に評価次元の外にいる作品である。

ストーリーは、40年間続いたというだけで
どう考えても満点である。

画力はどうだろうか。

今週のジャンプには、記念すべき「こち亀」の
第1話をフルカラーで掲載するという
大盤振る舞いを行っている。

この時代の両さんの、おっさん臭さときたら凄い。
どうして、これが少年ジャンプだったのか、
甚だ疑問なレベルである。

しかし、そこから40年、この作品は
絵柄を変え続けて生き延びたのだから、
これも満点だろう。

キャラクターは評価するまでもない。
5点どころか10点あげたい存在である。

構成も素晴らしい。
50巻ぐらいまでは少年や青年の心を鷲掴みにする
圧倒的なギャグマンガ

100巻ぐらいまでは、様々なキャラクターと
実験を重ねる実験ギャグマンガ

そして、それ以降メディアミックスの波によって、
読者層を大幅に広げてファミリー的なギャグマンガとして
200巻に至ったのである。

オリジナリティは、最後の200巻でも
十二分に発揮されている。

週刊連載の最終回が発売された当日に、
最終巻が同時収録されている等あり得ない所業である。

以上から、マンガ単体の評価として
完全に満点である。


また、ここからは少しマンガ連載というものに関して
書かせて頂きたい。


この手の長期連載マンガの話になると、
最近お決まりのように引き合いに出されるのが、
「ハンター✖ハンター」である。

曰く、無理に連載を続けないで、
休載を挟みながら面白い作品を創れという話である。

勿論ハンターは面白い回は神がかっている、そこに異論はない。

しかし、日本の一流マンガ家たちが、
週刊連載をやめて、休載をたくさん挟むようになってしまったら、
私のようにマンガが命の人間はどうすれば良いのか。

40年という長い間、
過去のどの号のジャンプを開いても「こち亀」は載っていたわけで、
なんだかんだで、毎週の小さな楽しみをもらっていたのである。

素晴らしい回もあり、泣かせる回もあり、
駄作の回もあり、それら全てが「こち亀」である。

作者の負担は勿論あるだろうが、
私はやはりマンガ読者として、
ハンターよりこち亀を支持したいのだ。


本日発売された最終回は、単行本と週刊連載の2つで
オチを別々するという趣向を取っている。

作品的にはジャンプ本誌から、単行本の流れで読むのが良い。

23歳で連載を始められた秋本先生は、現在63歳になったという、
人生を賭けた作品の最終巻を、
是非、買うべきであるというのが今日の結論である。

秋本先生、心からお疲れさまでした。

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