つれづれマンガ日記 改

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キャプテン翼

80年代ジャンプ作品第二弾。

今となってはキャプテン翼は、
評価されない作品かもしれない。

似たような顔のキャラクター。
マンガ的としか呼べない表現のサッカー。
お決まりの展開。

しかし、当時80年代においては、
キャプテン翼はマンガの王道だった。

なにより本作は、
子供達を「わくわく」させる魅力にあふれていた。

バスケットボールブームを呼び起こしたのは、
「SLAM DUNK」だったが、その10年以上前に
マンガでスポーツブームを巻き起こしたのは、
キャプテン翼」だったのだ。

この作品が原因で、日本人には中盤プレーヤーが増え、
ストライカーが少なくなったという説は、
俗説ではあるが、個人的に信憑性は高いと考えている。

それぐらい、当時のサッカー少年には、
深い影響を与えた作品だったのだ。

今改めて読み返してみると、
本作は非常にアニメーション的な描写に優れており、
試合展開やテクニック等小難しいことは避けて、
主人公達をいかに格好よく見せるかを至上命題にしている。

その辺りもやはり、
子供の心を掴むのに一役買ったのだろう。

結局のところ、高橋陽一は「キャプテン翼」をライフワークに
してしまい、未だに逃げられていない。

しかし、それはあの時代のジャンプ作家のほとんどに言える事だ。

あの頃マンガを読んで育った子供たちが、
現在のマンガ全盛の時代を支えている事を鑑みると、
読まずに足を向けて寝るべきではない。

80年代に主人公「翼」は語る。
「ワールドカップで日本を優勝させる事が夢だ」、と。
それが当時の日本にとってどれだけ大きな夢だったか。

残念ながら、
現在のマンガ界の主人公は、そんな壮大な夢を語りそうに無い。

そして、それはそのまま、
今の日本の世相を顕しているのかもしれない。

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