つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

惑星のさみだれ

水上悟志の名を世に知らしめた
出世作と言ってよいだろう。


「少年が大人になるってのはこういう事だ」


最終巻の帯にあったこの言葉が、
このマンガを語る全てだ。

自分にとってのヒーローを求める主人公夕日は、
突如巻き込まれた世界を賭けた闘いの中で、
次第に、人から求められるヒーローとして成長していく。

青年の成長物語はいつの時代、
どんなジャンルにおいても面白いものだ。

ただ、本作が面白い理由はそれだけではない。

マンガ読みなら、何度か経験した事があると思われるが、
マンガ家は
「化ける瞬間」
というモノを持っている。

最初からお化け作品を描く天才は稀だ。

大体はなんとなく壮大なマンガを描いているつもりで、
過剰演出と格闘し、どこか空回りしながらも、
ある日気がつけば物凄く面白いマンガを描くようになる。

その成長の瞬間が、たまに連載中に
やってくるマンガ家がいるのだ。

水上悟志は本作の中で、
確実にマンガ家としてのレベルを上げた。

そして、そんな成長過程を
共に味わうマンガというのは、
読んでいる読者も大変面白いものなのだ。

だから、本作を序盤で見捨てないで欲しい。

描きたい野望が大きい作品なのだ。
でも中盤になれば目が離せなくなるし、
最後まで読めばきっと
読んで良かったと感じてくれるだろう。

「マンガ家が成長するってのはこういう事だ」

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惑星のさみだれ全10巻 完結セット (ヤングキングコミックス)

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