世の中には、
どうにもカテゴリー分類できないマンガがあるわけで、
本作「怪談人間時計」は間違いなくそれに該当する。
当時、書店でこの作品を見つけた時の
インパクトは凄まじかった。
そして、中身を読んでまた驚く。
とにもかくにも、カルトとしか言いようがない、
狂ったデッサンと狂った物語である。
作者「徳南晴一郎」自体も、
消えたマンガ家の一人であり、
本作の神話性を高めている。
初出は60年代という本作だが、
今なお、世の中から忘れられていない
怪作と呼ぶに相応しい作品だろう。
面白いかどうかという軸の作品では全くないので、
普通のマンガを読みたい人は読む必要はない。