1巻の表紙からして、いかにも萌え系の作品だが、
どちらかという序盤はギャグ寄りの作品であり、
作者「影崎由那」のラブコメ苦手という思考が
面白い方向に昇華された作品。
主人公「かりん」は吸血鬼の家に生まれた女の子だが、
吸血ならぬ増血する特異体質。
特に、同級生の「雨水 健太」に近づくと
大変増血してしまい、鼻血を噴出すという
強烈なヒロイン像は面白かった。
中盤から終盤にかけては、
さすがにベタなラブコメ作品になっていくが、
特筆したいのはやはりラストの展開だろう。
このラストの潔さと伏線の回収は素晴らしい。
正直、この手の萌えマンガには、
全く期待していないレベルのラストが描かれており感動した。
女性作者の持つ、若干突き放したような、
それでいて愛情に溢れたラストは、
やはり男性作者の持つ感性とは違う気がする。
良くも悪くも全てをロマンチックに終わらせようとしないのだ。
この辺りの差は、
色々マンガを読んでいる身としては楽しい限りだ。
かりん コミック 1-14巻セット (角川コミックス ドラゴンJr. )
- 作者: 影崎由那
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2008/04/09
- メディア: コミック
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