つれづれマンガ日記 改

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放課後ウインド・オーケストラ

全4冊で打ち切り。

放課後ウインド・オーケストラは、
割と勿体無かった作品だった。

ただし、オタク向け作品で好みの分かれる
作品であった事はわかる。

そもそも絵柄がオタク向けであり、
主人公や周囲のキャラクターの性格設定も、
アニメやゲームに出てきそうな雰囲気があった。

だから、嫌いな人は嫌いだっただろう。
打ち切り展開も頷ける部分だ。

けれども、そんな凡百な設定の中で、
吹奏楽部を描きたいという熱意は伝わってきたし、
キャラクターも次第にテンプレート的な存在から
抜け出しつつあったのも確かだった。

作者「宇佐悠一郎」が成長している事を
連載中に感じさせてくれた作品だった。

また、音楽モノではなく、
学園部活モノとしての楽しさを
提供しようというスタンスも良かった。

プロの音楽に必要なモノと
吹奏楽部に必要なモノの違いが
3巻辺りで描かれているが、
作中屈指の名シーンだろう。

そして、惜しかったと思わされる最後の点は、
作者が女性である点だ。

女性の作者は、オタク好きの展開を、
裏切ることが出来る場合が多い。
これは男性作者にはなかなか出来ない事なのだ。

最終巻の書き下ろし分を見る限り、
この作品にはまだ先があった。
少し鬱な展開を挟みながらも、
きっと主人公の成長が見れたのではないだろうか。

しかし、打ち切られてしまえば、
その後どれだけ面白かったとしても全て夢物語である。
マンガは結果が全ての厳しい世界なのだ、と
改めて思わされる。

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