つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

BASARA

長編ファンタジーというジャンルが、
少年マンガの十八番と信じて疑わなかった当時の私を
木っ端みじんに打ち砕いてくれた、衝撃的な作品。

少女マンガでありながら、長編大河浪漫の頂点に立つ物語、
それが「田村由美」の大傑作「BASARA」である。

改めて読み返してみても、圧倒的に惹き込まれる完璧な第一話。
そして、衝撃的な赤の王と主人公「更紗」の出会い。
既にこの時点で、その後9年も続くことになる
冒険の土台は組みあがっているのだから凄まじい。

また、数多の登場キャラクターにおいても、捨てキャラは存在せず、
各種エピソードにも無理がなく、現在の無駄な長期連載作品に
爪の垢を煎じて飲ませたいような作品である。

加えて、未来の日本という設定の使い方も抜群で、
下手に凝った設定を加えないことで、
ファンタジー作品にありがちな
地名や文化が覚えられない問題を回避している。

以上のように褒めればきりがない作品だが、
本作が最も優れていたのは、やはり、
恋愛と冒険という、二兎を本気で追いかけた点ではないだろうか。

それまで多くのマンガが、どちらか片方だけを追いかけていた中で、
この作品は初めて、2つのテーマが両立できることを証明したのである。

文庫版5巻の「近藤史恵」の解説が、最も的確にそれを説明しているので、
今回のレビューは、その言葉で締めくくりたい。


少女にだって戦いの物語は必要だ。
けれども、かっこいい男の子に恋することもやめる必要はない。
どちらかひとつなんて、いったいだれが決めたのだろう。
欲しいのは両方だ。

少女マンガの歴史に残る金字塔である。

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BASARA バサラ文庫版 全16巻完結セット (小学館文庫)

BASARA バサラ文庫版 全16巻完結セット (小学館文庫)

 

 



残念博士

残念な博士と残念な助手による
4コマだったり4コマでなかったりする残念なマンガである。

作者「瀬野反人」の作品は、
基本的にナンセンスやシュールさの極致にあるような作風なのだが、
本作も、その流儀から外れていない。

ただ、それが面白いと感じるかどうかは難しいところで、
「セキツイハウス」の壊れ方は好きだったのだが、
本作の残念ぶりは、今一つハマれなかった。

博士が作りだす壊れた発明品の数々は面白いのだが、
博士と助手のキャラクターが意外に普通で、
この辺りが、もう一歩吹っ切れてくれると面白かったのかもしれない。

頭のおかしい系ギャグ作品が好きな方にオススメ。

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まじめな時間

月に吠えらんねえ」の「清家雪子」による
まじめな死後の世界の物語。

不慮の交通事故に巻き込まれて死んでしまった
女子高生「一紗」が自分の死後の世界を
幽霊になって眺める事になる。

死後の世界を描いた作品といえば、
やはり、「吉富昭仁」の「ツレビト」が傑作だが、
もう少し情緒的に、死後の世界と残された人間を描いた作品である。

終盤の母親の独白などは、
ベタではあるが、泣かされてしまう。

ただしラスト間際の伏線回収的な展開は、個人的には微妙。
死後の世界の複雑さという意味では、
混沌とした部分を残しておいても良かった気がする。

この辺り、2巻に収録されている四季賞の「孤陋」のラストでも感じたが、
虚しさを描きながらも本質的に、優しさのある作者なのだろう。


死後の世界を描く限り、ハッピーエンドはないわけだが、
暖かい物語が読みたい方にオススメしたい。

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