だがしかしの最終巻が5月に発売されたので、
レビューを書かなければなぁと思いながら、気がつけば10月である。
駄菓子という前人未踏ながらも非常に可能性を秘めた設定を舞台に、
マニアックな魅力のヒロイン「蛍さん」を登場させ、
極めつけはタイトルが「だがしかし」
連載一話目から圧倒的なポテンシャルを秘めており、
第一巻発売の頃から以下のようなレビューを書いていたのが思い出される。
>特筆すべきはやはりヒロインのキャラクター。
>オタクをこじらせた男性作者が
>魅力あるヒロインを作る典型的なパターンで、
>何ともフェティッシュだが、ギリギリいやらしくない。
>そしてあまりに駄菓子を崇拝している為に、むしろ面白くすらある、
>愛らしいヒロインに仕上がっている。
それから4年で二度もアニメ化したのだから、
やはり売れる作品は売れるべくして売れるのだろう。
そんな本作も11冊でついに完結。
サヤ師との恋愛もはっきりとは終わらせず、
ほたるさんとの未来も読者の想像に任せるということで、
ある意味、妥当なラインでの終わり方だったのではないだろうか。
結局のところ、この手の終わらない日常を描いた作品に、
これ以上の結末を求めると、終わらない日常が終わってしまう事になり、
作品として幸せにならないというのは正しい回答なのだろう。
だからこそ、うる星やつらで最終巻丸ごと1冊を使って、
終わらない日常を終わらせようとした、当時の高橋留美子が
如何に非凡の才能だったのかがよくわかるわけだが。
ともあれ、唯一無二の駄菓子マンガである本作を、
ショートギャグとラブコメが好きな方にオススメしたい。