女性の視点でリアルな世界を描かせれば、
右に出るものはいないのが「鴨井まさね」である。
全編通して物語の起承転結があるかと言われればない作品だが、
そんなところを通り越して、大人の女性のリアルな日常を描き切っている快作。
基本的には、恋愛と仕事の日常が全て。
そして、毎回挟まれる些細な日常の何気ない描写が、
これ以上ないほど、リアリティを高めている。
一体、どういう観察眼をしていると
こんな風に、キャラクターを自由に動かせるのか。
好きになる人は物凄く好きだし、
嫌いな人はとことん合わない。
ある意味、この作者こそが、
本当の意味での女性漫画家なのではないだろうか。