つれづれマンガ日記 改

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ボーイズ・オン・ザ・ラン

ある程度有名なマンガの中でも気をつけなければいけないのが、
この「花沢健吾」作品である。

最近ではアイアムアヒーローの、投げっぱなしエンドで、
多くの読者をショックのどん底に陥れたが、
この作者が謎を解かなかったり、
読者にカタルシスを与えなかったりするのは、今に始まった事ではない。


その事を証明しているのが本作、ボーイズ・オン・ザ・ランであり、
既存の起承転結や、報われる物語などを楽しみたい人には、
死ぬほど中途半端に感じる作品である。


反面、物語の過程で描かれる負け犬の負け犬たる人生の惨めさや、
こみ上げてくるルサンチマン等の描写は本物であり、
マンガに感情を揺さぶられる事に感動し、
本作を高く評価するという読者が多くいるのも事実である。

いわゆる、「新しいマンガ」を目指そうとしている意味では、
作者の方向は間違っていないのだが、
反面、時代を超えて愛される作品は、物語作りの王道を外さないという
側面もあるので、どちらが正しいのかは難しいところだ。

ただまぁ、物語をうまく起承転結させられない、イコール、
作劇力が未熟と捉える私としては、好きでない事は確かである。

過程における物語のテンションを引っ張るだけ引っ張ておいて、
最後に畳まない手法は、週刊連載としては良いだろうが、
読まされている読者としては、嬉しい側面はないと思うのだが。

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