「松本英子」のW完結フェアという事で、
今回は、2巻で完結した局地的王道食。
ちなみに局地的王道食とは、
「作者のこころのだいじな食べ物」の事らしい。
この作品、本当に好きだったので2巻で完結が非常に残念。
異端の作者に相応しい、
他の人がそこまで愛さないグルメ界の脇役的な食材を、
毎回取り上げるという、唯一無二のグルメマンガ。
個人的には、「ちくわの磯辺揚げ」や「求肥」の回などがツボ。
「そば湯」の回で、緑のたぬきのそば湯に挑戦するあたり、
作者の圧倒的な個性が反映されている。
また、作風も一新しており、「プロジェクト松」以降、
ずっと描かれていた松の字がついた自画像から、
女性らしいキャラクターと「モグさん」というゆるキャラも追加して、
作者としては相当に冒険していた作品だったが、
十分に面白く仕上がっていた。
2巻の惜しいところは、
作者が「のらぼう菜」に憑りつかれてしまった点だろうか。
まさか「のらぼう菜」だけで3回も連載するとは思いもよらなかった。
と思っていたら新連載は直売所巡りになるらしく、
本気で憑りつかれたようである。
まぁ、「松本英子」らしいテーマなので、
新連載も非常に楽しみではあるのだが。
「モグさん」は再び松本作品に出てくることはあるのか、
その点だけが気がかりである。