つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

まじめな時間

月に吠えらんねえ」の「清家雪子」による
まじめな死後の世界の物語。

不慮の交通事故に巻き込まれて死んでしまった
女子高生「一紗」が自分の死後の世界を
幽霊になって眺める事になる。

死後の世界を描いた作品といえば、
やはり、「吉富昭仁」の「ツレビト」が傑作だが、
もう少し情緒的に、死後の世界と残された人間を描いた作品である。

終盤の母親の独白などは、
ベタではあるが、泣かされてしまう。

ただしラスト間際の伏線回収的な展開は、個人的には微妙。
死後の世界の複雑さという意味では、
混沌とした部分を残しておいても良かった気がする。

この辺り、2巻に収録されている四季賞の「孤陋」のラストでも感じたが、
虚しさを描きながらも本質的に、優しさのある作者なのだろう。


死後の世界を描く限り、ハッピーエンドはないわけだが、
暖かい物語が読みたい方にオススメしたい。

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