「聾唖といじめ」という今まで切り込まれてこなかった、
反響が恐ろしいジャンルの読み切りが、
圧倒的な人気を得た事から連載になったのだから、
日本のマンガ読者のレベルはやはり高くなったのだろう。
ただ、マガジンという少年誌ではやはり、
週刊少年誌的なスピード感と面白さも求められてしまい、
少年マンガと哲学の二兎を追わなければならなかった本作が、
全体を通して、ちぐはぐとした印象になった点は残念であった。
しかし、それでも、本作は成功だったと思いたい。
今まで聾唖と言えば、
「山本おさむ」にのみ許されていた独壇場であり、
一種の純粋マンガ学問的な位置づけにあったのだが、
それを週刊少年誌という大衆ジャンルにまで展開させたのだから
作者「大今良時」の功績は大きい。
ちなみに本作も面白いが、
マンガ作品としての面白さとしてはやはり、
「わが指のオーケストラ」が至高である。
これを読まずに聾唖マンガは語れない。
この「聲の形」からの興味をきっかけに、
是非一読していただきたいものである。
聲の形 コミック 全7巻完結セット (週刊少年マガジンKC)
- 作者: 大今良時
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2014/12/17
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (10件) を見る