つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

聲の形

「聾唖といじめ」という今まで切り込まれてこなかった、
反響が恐ろしいジャンルの読み切りが、
圧倒的な人気を得た事から連載になったのだから、
日本のマンガ読者のレベルはやはり高くなったのだろう。


ただ、マガジンという少年誌ではやはり、
週刊少年誌的なスピード感と面白さも求められてしまい、
少年マンガと哲学の二兎を追わなければならなかった本作が、
全体を通して、ちぐはぐとした印象になった点は残念であった。


しかし、それでも、本作は成功だったと思いたい。


今まで聾唖と言えば、
山本おさむ」にのみ許されていた独壇場であり、
一種の純粋マンガ学問的な位置づけにあったのだが、
それを週刊少年誌という大衆ジャンルにまで展開させたのだから
作者「大今良時」の功績は大きい。

 
ちなみに本作も面白いが、
マンガ作品としての面白さとしてはやはり、
「わが指のオーケストラ」が至高である。

 

mangadake.hatenablog.jp

 


これを読まずに聾唖マンガは語れない。
この「聲の形」からの興味をきっかけに、
是非一読していただきたいものである。

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