「日本橋ヨヲコ」の持つ才能はやはりその
ありったけの熱量だろうか。
デビュー作「プラスチック解体高校」からして、
異彩を放っていたが打ち切り。
エンターテイメント感をもう少し前面に打ち出した
本作でもまたあえなく打ち切り。
けれども日本橋ヨヲコの芯はぶれず、作品を作り続け、
現在の成功に至るわけである。
本作極東学園天国は、
問題児を集めた全寮制の学園を舞台に、
熱いセリフのオンパレードで展開する物語で、
まさに青春活劇と呼ぶに相応しい作品に仕上がっている。
打ち切りとはいえ、とりあえずの完結までは迎えているので、
日本橋作品のうち、最初に読むにはお勧めかもしれない。
「誰かに用意された道には何もない。」
今でも思い出せる本作屈指の名シーンだが、
その言葉は何よりも、
厳しい時代の自分自身へと投げかけていた言葉なのかもしれない。