総合評価・・・3.36
もし、ONE PIECEのような壮大な長期連載作品の作者が、
突然の死を迎えてしまったら世の中はどうなるのか。
長期連載がはびこる現代だからこそ描けた
サスペンス作品が本作である。
少年マンガで大ベストセラーを誇る作品「ミリオンジョー」
数多くの伏線と魅力的なキャラクターが活躍する、
この連載の担当者を務める主人公「呉井」は、
仕事中に突然かかってきた作者からの体調不良の連絡を無視してしまう。
その後、仕事部屋を訪れた呉井は、彼が自室で一人死んでしまっている事を目撃し、とんでもない過ちを犯してしまった事に気がつく。
なんとか自分の失敗を取り返せないかと部屋の中を漁り続けると、
そこには作品の結末までのあらすじが描かれた創作ノートが残されていた。
追い詰められた呉井はミリオンジョーを自分の手で描き続け、
作者が死んでないように見せかける事を決意するわけだが。。。
粗削りながらも、迫りくる恐怖感などは、
サスペンスならではの面白さがあり、
最後まで続きが気になって読まされてしまう。
ただし、この手の主人公が破滅する秘密を抱えている作品は、
最後の展開がなんとも評価が難しいので、
その辺りは各自が結末を読んでほしい。
マンガ界サスペンスの秀作であり、
「十口了至」「市丸いろは」のコンビの次回作に期待したい。