何とも独特の作品を描く作者
「えすとえむ」の作品。
イタリアの祖父の元で腕を磨いた若き靴職人が、
日本で注文靴の店を構えることから物語りは始まる。
作者得意の少し鬱蒼とした雰囲気が、
靴職人の世界の雰囲気になじんでいながらも、
主人公キャラクターが非常に好青年で
作品に入り込みやすい作りになっている。
反面、葛藤や情熱を表に出しづらいキャラクターでもあり、
連載作品としては、
物語の起伏に乏しくなってしまって点は残念である。
ともあれ、靴という世界に絞った作品は非常に少ないので、
職人の世界の物語が好きな方にはオススメしたい作品である。