A-BOUT!に関して書くとすれば、
マガジン編集部が本当に勿体ないことをした、
という一言に尽きる。
本作は、連載当初こそ
勢いだけのバカヤンキーマンガだと思われていたが、
そのバカさ加減こそ、
喧嘩ヤンキーマンガの命だという事がわかる大傑作だった。
特に、登場キャラクター達の個性が圧巻で、
3年生との対決となる
序盤の19巻までは素晴らしい出来だった。
ただ、新人作者「市川マサ」の幸運のヒットを、
無理に引き伸ばそうとしたのが運のつき。
第二章となる「朝桐大活躍編」に入ってからは、
肝心のキャラが立たない、
ギャグとシリアスの境界線がおかしい、
何より、本作最大の売りであった、
主人公の魅力がなくなっていた。
不良マンガの永遠の名作と思われる「クローズ」に、
唯一肉薄したと思われた、第一章に比べて、
続編の第二章のなんとつまらなかったことか。
せっかくの名作も晩節を汚しては台無しである。
それは、昨今のジャンプ長期連載全てにいえることだが。
第一章にあたる、無印の「A-BOUT!」は
強烈にオススメできるので、
続編はなかったことにして頂きたい。
無印だけでいえば、文句なしの名作である。