その独特の絵柄と作風で、
異端のポジションにいる作者「望月峯太郎」
そんな氏の作品群の中でも、
異彩を放っているのが本作だろう。
夜中に部屋を訪ねるドアのノックの音がして、
ドアをあけると、紙袋を持った大女が立っていて。。。
それまで多くの作品がわかりやすいホラーを
マンガとして世に出していた中、
「口裂け女」や「人面犬」のような
都市伝説をマンガの世界に再現した本作。
この何とも言えない
不気味な空気感を産み出す事に成功したことが、
後に作者の名前を決定的なものにする
「ドラゴンヘッド」に繋がっていく事になる。
「ドラゴンヘッド」では許されなかったあのラストも、
「座敷女」の観点で見てみると違和感はない。
その意味でも、やはり全1冊の本作がもつ
完成度の高さが伺えるだろう。
歳をとるほどに恐怖感が増してくる、
現代ホラー作品の傑作である。