久しぶりに再読。
今更ながら、
「時代と寝た作品だったなぁ」
と思わされた。
当時稲中にどれだけ笑わされたことか。
正直、あれほどの衝撃を与えた
ギャグマンガは少なかった。
そして、傑作ギャグマンガの
悲しい宿命でもあるが
時を超えて読み返しても笑えないのだ。
これは、天才バカボンに始まり、
正直全てのギャグ作品に対して言えることだ。
あまりに笑いすぎてしまったネタは、
なんとなく読んでいて思い出してしまう。
または、それほどまでに
笑ったという事自体が、
当時の感情とリンクしすぎていて、
時間を経過した自分には
それほど笑えない。
そんな一過性の麻薬。
ただ、そこに至れる傑作は少ない。
発表から既に20年以上が経過し、
作者「古谷実」はギャグから
すっかり足を洗っているが、
時折見せるシュールな描写は、
稲中の思い出そのものである。