つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

3.3.7ビョーシ!!

(2012年評)

久保ミツロウのデビュー作「3.3.7ビョーシ!!」である。


とにかくマンガの上手い新人だなぁというのが、
連載開始時の印象だった。


ホスト、応援団、地味な主人公、と
いかにも少年誌では難しそうな題材を、
カワイイ女の子の絵で盛り上げる手法は、
連載第一回目から注目した覚えがある。


また、女性キャラが活き活きと可愛らしかった。
モテキ」が売れたから言うわけではないが、
この頃から、女性キャラを描く素養は確実にある作者だった。


また女性キャラだけでなく、
団長やハイド、敵役サイドのソウメイ等、
魅力溢れるキャラクターが動く
新宿歌舞伎町物語は、
それまでの「夜の世界」マンガが描いてきた
暗く重い雰囲気とは全く異なる、
「マンガ」としての裏社会を描いた点を高く評価したい。


本作以後、
「ホスト」系マンガがメジャー系雑誌に増えてきたことは、
注目すべき点である。


全10冊。


全体を通してのストーリー構成にはやや難もあったが、
それ以上に新人マンガ家が持つエネルギーを楽しめる作品である。

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