アニメ化も果たした有名作品だが、
それ以上に、原作も冒険的で面白い。
ラブコメ的な雰囲気と
飄々としたタイトルに騙されやすいが、
最初の数冊を読めば、
そのコマ割りやストーリー構成等、
フツウの少女漫画を狙っていないことが
すぐにわかる意欲的な作品である。
ヒット作品だけに、面白さは十分保障できるが、
惜しむらくは作者の画力不足である。
学園ラブコメを描くには、
序盤のレベルの花ゆめ画力で十分だが、
中盤から後半にかけた主人公の内面を
抉りにかかる展開では、
この画力では正直表現力不足と感じた。
描写事態は非常に上手なので、
あともう少し表現する画力が追いついていれば、
屈指の名作になり得たかもしれない。
ただまぁ、序盤の面白さに引きづられて
結局21冊完結まで読まされてしまうのだから、
物語の質としては十分なのだろう。