つれづれマンガ日記 改

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いつもぼくをみてる(1)

 

いつもぼくをみてる(1) (ヤンマガKCスペシャル)
 

 
というわけで、「山本さほ」作品が三連続である。
まさか、この作者の作品を三冊同時発売する日が来るとは。

エッセーというフィールドを生業とする作者が、
フィクション作品を描くとどうなるのか、
というのはある意味、永遠のテーマなわけだが、
本作は序盤としては悪くない始まりだった。

あらすじてきには、小学校時代を舞台に、
悪い事をすると白い謎の生物がじっと見てくるという
不思議なフィクションだが、今のところ作者の持ち味が活きている。

その要因が、物語を90年代の小学生という
舞台に設定したからだろう。

これによって、物語が半ば自分自身の過去の生活を描けば良いので、
結果として作者得意のエッセーの領域になり、
良質なフィクション作品が描けているという仕組みである。

この辺り、自分の腕前を分かっていて非常に策士である。

あとは、少し不思議なこの物語をどのように着地させるか次第なので、
続きをのんびり待つことにしたい。