ファミ通連載、無慈悲な8bitもついに3冊目である。
この作品の何が良いかは、非常に言語化しづらいのだが、
強いてあげるなら、何とも言えない「ファミ通感」にある。
ファミ通連載は、先進的な漫画を描いてきた、
「桜玉吉」枠や「柴田亜美」枠等の
別にゲームというテーマがなくても面白いよね、というマンガ家と、
明らかにゲーマーだからこそ面白いゲーマージャンルのマンガ家に
はっきりと色分けされると思うのだが、
そんな中で近年、目立った作品がなかったゲーマー枠として
最高に地味でファミ通らしい作品を描いてくれているのが、
「山本さほ」なわけである。
作者がゲーム狂だという事は、本作を読めば良くわかるし、
人生の時間をいかにゲームで無駄遣いしていたかが良く伝わってくる。
そして、そんなゲームで人生を無駄にしてきた人にしか伝わらない
不毛な面白さを紙面に落としてくれているのが本作の良さなのである。
このシュールさを是非維持してほしいものだ。