数年前から「2」が開始された、矢上裕の代表作。
久しぶりに読んでみたら、
当時は面白いアクションギャグマンガという認識だったが、
随分とプロットが巧い作品だったことに気がつき感心させられた。
よくよく考えてみると、
異世界から日本に戻るために、
エルフの裸にはりついた呪文の欠片を集めるという、
トンデモ設定だけを頼りに
21冊続いたのだから、大したものである。
加えて、5冊に一度程度のペースで
クライマックスを感じさせる長編を挟んでおり、
そのどれもが良い出来栄えなのもスゴイ。
ギャグとシリアスのバランスが非常に巧いのだろう。
画力だけは最後まで追いつかなかったが、
読み続けると、これも一つの味である。
総じて「2」が始まるだけの事はある作品だった。
「2」に関しては、まだ序盤しか読んでいないが、
若干ギャグの勢いに衰えを感じるので、
オリジナル未読の方には是非、本作をオススメしたい。
21冊と多く感じるが、気楽に読める傑作である。