1冊完結だが、非常に良くまとまっており、
完成度の高い作品である。
主人公は、超能力者であることを隠して
日常生活を過ごしている高校生だが、
ある日その力を軍事利用しようとする
異星人のかわいい女の子が地球にやってきて・・・
こう書くと、最近ではいかにもありがちな展開だが、
デキる作者が描くとこうも違うのか、というくらい面白い。
水上作品は、その画風から侮られがちだが、
キャラクターの完成度が非常に高い。
かの藤田和日郎が描くような、
魂の叫びを出せるキャラクターを生み出せるところが強みだ。
キャラクターの人生や背景を十二分に練ってから、
動かしていることがよく伝わってくる。
そうでなければ、人間らしいキャラクターは生み出せない。
また、物語の構成も単純だがよく出来ており、
最後まで楽しませてくれる内容になっている。
結局のところ、
つまらないストーリーというものはなく、
それをつまらなく描くか、面白く描くかは
全てマンガ家の力量次第という事なのだろう。