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つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

め組の大吾

本作は現時点までにおける
曽田正人の最高傑作と言えるだろう。


およそこの作者以上に
『天才』というジャンルに心奪われているマンガ家はいない。
ゆえに、
『天才』的な主人公をドラマチックに描かせれば日本一である。


個人的思想になるが、天才というのは何らかの心の
トラウマなり異常な幼少期を経ないと産まれない存在と認識している。


その為マンガにありがちな、ぽっと出の天才ではなく、
苦労や苦悩を重ねた主人公が『天才』として、
その才能を開花させていく曽田正人スタイルのマンガが
私としては大変相性が良い。


本作は、幼少時に火災に巻き込まれた主人公大吾が、
自分を救ってくれた消防士にあこがれて、
消防隊員になり、徐々にその活躍の場を広げていくという物語である。

次第にその狂気とも言うべき才能が開花し、
時に、レスキューのために屋上から人を投げ落とし、
時に、救急車で火災現場の壁に突撃したりする。


しかし、成功し続ける限り彼は英雄であり続ける。


その恐ろしいまでの才能に、自身の命を
焦がされそうになりながらも、
それでも、レスキューという仕事をやめることができない。

そして、読者はそんな大吾の生き様をただ
観客として見守ることしかできない。

最初の数冊を読み始めたら、
多分最後までページをめくる手を止めることはできないだろう。
そんな傑作だ。


実在しない人物を描いているにもかかわらず、
天才とはこうあるべきだ、と思わされるのだから、
作者の想像力の深さには畏怖の念を覚える。
サンデーの忘れられない名作の一つである。

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