つれづれマンガ日記 改

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友達100人できるかな

宇宙人に襲われた地球が、
滅亡から逃れるための唯一の手段は、
主人公が小学生時代に戻って、友達を100人作ること。

描こうとしたテーマだけを取れば、文句なく100点なのだが、
コメントするのが難しい作品である。

成功すればマンガ史に残る傑作だっただろう。

しかし、成功したとは決して言えない。

本作がそれなりの評価を得ていることは承知しているが、
それでも敢えて、本作は成功していない、と断言したい。

とよ田みのるの作品には、ほんの少しだが、
読者を置いてけぼりにして、自分の作品に浸ってしまう空気がある。
いわゆる自己満足が出てしまうのだ。

本作が面白いマンガか、と言われれば、
面白い話もあるマンガだが、
全ての話が面白かったか?
と問われれば面白くない話もあったはずだ。

そして、一人一人が非常に重要であるはずの、
「友達100人」というテーマに対して、
つまらないお話が紛れ込むことは致命傷なのだ。

それでは、結論ありきで、ただ100人までの
数つなぎをする作品にすぎなくなってしまう。

実際、最初の頃の話の面白さゆえに、
その頃できた友達の思い出は心に残るが、
後半の友達の思い出は、あまり覚えていない
といった状態が読者に発生する。

「友達」という非常に難しいテーマに、
作者が敬愛するSF(少し不思議)ワールドを
加えたところまではよかった。

しかし、本作を描ききるほどの力量が
氏にはまだなかったと言わざるを得ない。

非常に惜しい作品である。

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