つれづれマンガ日記 改

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そしてボクは外道マンになる

田舎から出てきた新人漫画家「平松伸二」が、当時の過酷な少年ジャンプの世界で
生きてのびていく体験を描いたフィクション自伝作品も4冊で完結である。

作中、色々な過去のジャンプ関係者が登場した本作だったが、
残念ながら、「鳥嶋編集長」の見立て通り、中途半端なところで
打ち切りになってしまった。

個人的には、「ブラック・エンジェルズ」のヒット以降の作者の
苦難と再生が読みたかったので、その辺りがばっさりと
打ち切られてしまった点は残念でならない。

とはいえ、自伝系の作品として面白かったかと問われると非常に難しく、
良くも悪くも、ストーリー漫画家の描いた作品だった。

作者の心の叫びは良く伝わってくるのだが、
それがうるさすぎても自伝系作品は面白くない。

この辺りのバランスが何とも難しい故に、
ストーリー系とエッセイ系の作者は
お互いの領域を侵さずに作品を創っているのだろう。

ラストシーンに小さく書かれた「第一部 完」の文字が、
何とも痛ましい本作を、古い時代のジャンプ読者にオススメしたい。

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