つれづれマンガ日記 改

完結してる漫画をテーマに、なんとなく感想。 レビュー、評論、おすすめ、駄作、名作、etc

悪魔くん /悪魔くん千年王国

さて、世の中ではゲゲゲの鬼太郎猫娘が話題のようなので、
水木しげる御大つながりで悪魔くんを取り上げる事にする。

悪魔くんというのは鬼太郎と比較すると非常に難しい作品で、
正直、売れたか売れないかでいうと、鬼太郎
足元にも及ばない作品である。

アニメ化に関しても鬼太郎は第6期という偉業を達成しているのに対して、
悪魔くんは90年に一度だけアニメになっただけである。

また、作品の変遷が非常に複雑な点も、
この作品の評価を難しくしている。

貸本時代の旧悪魔くん、と「悪魔くん千年王国
は、1万年に一人の「精神的奇形児」である悪魔くんが、
平和と平等な楽園を築こうと奮闘する展開で、
当時の貧乏な水木しげるが抱いていた、
経済社会への憤懣やるかたない情念が爆発した異色の傑作である。

しかし、マガジン版とも呼ぶべき悪魔くんは、
召喚した悪魔メフィストを使って悪魔退治を繰り返すという
ある意味劣化鬼太郎作品となっており、
展開や物語の異色さこそ流石の腕前だが、
ストーリーとしては、千年王国編程の壮大さはない。

そして、当然ともいえるが、
アニメ化にあたって採用された各エピソードは
マガジン版の悪魔退治のストーリーであった。

しかし、マンガ好きにオススメしたいのは、
圧倒的に千年王国編である。

特に貸本版は想像以上に駆け足の打ち切りになってしまっているので、
貸本復刻版ではないバージョンをオススメしたい。

十二使徒の数人が単なる一般人だったりするあたり、
アニメ版の悪魔くんに慣れ親しんでいる人には
とても信じられないような展開かもしれないが、
この悪魔くんこそ、水木しげる御大が、
「不浄に満ちた社会をフンサイする」為に描いた大傑作なのである。

未読の方に是非オススメしたい、不朽の水木作品の一つだろう。

f:id:mangadake:20180413202419p:plain

 

悪魔くん千年王国 (ちくま文庫)

悪魔くん千年王国 (ちくま文庫)