つれづれマンガ日記 改

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ロッタレイン

人間描写の巧い作者「松本剛」による全3冊の物語。

都会を離れて、かつて自分を捨てた父親の家族のいる
田舎に移り住んだ主人公と、
その家に住む娘との徐々に歪んでいく日常。

この辺りの、
生活が徐々に煮詰まっていく描写は非常に秀逸で、
最後まで結末が気になる作品になっている。

反面、ラストの展開は個人的には少し寂しい。

日常系サスペンス作品を描くと、
多くの作品が、この手の展開に至るのだが、
もう一歩踏み込んで、
作者自身の持つ「答え」を提示する強さのある創作物が、
個人的には読みたいのだが、なかなかそこまでの
期待に応えてくれる作品は少ない。

ある意味全3冊の表紙に描かれる少女が、
この作品のテーマの全てでもあるので、
そこに魅かれた人にオススメしたい。

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ロッタレイン(1) (ビッグコミックス)