つれづれマンガ日記 改

マンガをテーマに、なんとなく感想。レビュー、おすすめ、名作、駄作、etc

ジャストミート  / ふぁうるちっぷ

超ベテラン作家「原秀則」のマンガ界における
立ち位置を確立した出世作


デビュー作「春よ恋」「さよなら三角」の頃の画力を考えると、
本作の最終巻あたりの画力は完全に別人であり、
これほどマンガが巧くなった作者を私は他に知らない。

以前レビューで描いたように、
マンガ家は、連載中に化けるパターンがあり、
原秀則は、間違いなくこの作品を通して、
トップグループの仲間入りを果たしている。


本作自体は、ギャグと恋愛を交えた高校野球漫画で、
冗談のような展開で甲子園に進む主人公たちの、
馬鹿さ加減を楽しむ第一部と
もう少しマジメに青春をはじめる後半の第二部と、
あたかも二部構成に分かれているかのような、
自由奔放な展開の作品になっている。


ただ、この作品で培われた、
物語の展開やキャラクターの躍動感、
画力や、恋愛描写、様々なものが
後の数々の連載を支える土台になった事は
間違いないだろう。

 

作品発表から既に30年が経過しているが、
デビュー当時の原秀則の実力を考えると、
今もって現役でマンガを描いていると誰が予想できただろうか。

この才能を見出した
当時のサンデー編集者に脱帽である。

外伝の「ふぁうるちっぷ」2冊と併せて、
想い出補正をかけて懐かしマンガ好きな方にオススメしたい。

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