つれづれマンガ日記 改

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スラム団地

人とは違うオリジナリティを持ちながら、
人間描写が巧みなマンガ家は
すべからくスラム出身ではないだろうか。

そんな不謹慎な想像を裏づけしてくれる
本作「スラム団地」


作者「松田奈緒子」の幼少時代の団地での生活を描いた作品だが、
その後の作者の描くマンガに登場する、
個性豊かな、それでいてリアリティを感じさせるキャラクターの多くが、
この幼少時代の経験から産まれている事は間違いない。


読んでいるだけで楽しくなる、
スラム団地に住む様々な登場人物の幅広さ。


画一化された団地という世界に、
かくも多様な中流階級が混在していたところが、
この時代の日本の密かな原動力だったのかもしれない。


現代のマンガ家に足りない、
野生の秘密がここにある。

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スラム団地

スラム団地