つれづれマンガ日記 改

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A・Iが止まらない!

近年のハーレム系ラブコメかつ主人公が受け身という流れは、
やはり「赤松健」から始まったのではないだろうか。

そして、その根底が作者のデビュー作となった本作である。

この作品の何が凄いかというと、
「PCから自分の理想の美少女が出てきて取り柄がない自分の彼女になる」
というモテない男性の妄想を何のためらいもなくマンガにしてしまった事だろう。

この時代に登場した恋愛ゲームの世界でさえ、
能力が低く消極的な男性はモテないのに、それすらも排除して
100%ご都合主義のマンガを描いた人は、90年代にはほぼいなかった。
(わずかに思い出されるのは、人類ネコ科あたりだろうか)
加えて、さらにヒロインを多数にするという快挙を次作「ラブひな」で
実現していく事になるのだから、当時の作者の妄想力は凄まじい。

この時代の頃から徐々に昨今のラブコメの根幹となる、
モテ=非論理的事象=主人公が受け身で魅力がなくても問題ないという
理屈が蔓延するようになり、昨今のラブコメ全盛期に突入していくわけである。

しかしまぁ、何も取り得がないのにモテるというのは、
のびしずの時代からの問題なので、
恐らく全ての根底は、のび太にあるのかもしれない。

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A・Iが止まらない! (8) (講談社コミックスデラックス (1309))

A・Iが止まらない! (8) (講談社コミックスデラックス (1309))